2010年12月15日

変わる京都の商業集積/参 近鉄百貨店からヨドバシカメラへ

旧暦十一月十日 己亥(つちのとい)

 ちょうど、シャープがガラパゴスの予約販売を開始した先週十日、京都駅前にオープンしてひと月あまりになる「ヨドバシカメラ マルチメディア京都」を初めてのぞいてみた。
 近鉄跡地にヨドバシ、で、ほかにもテナントが入るということで、そうか「ヨドバシビル」ということなのだ、と想像していたが、行ってみると「ヨドバシモール」か「ヨドバシデパート」といった感じ。
 もともと百貨店の跡地だから、広い。

 地上8階、地下2階。オープンのさらにひと月前くらいに出ていた日経MJの記事では、建物の延べ床面積が約7万3千平方メートル、地下1階と地上1〜3階の直営部分の売場面積が約2万1千平方メートルとしていた。階数の比率では直営面積の数字がちょっと少ないという気がするのは、バックヤードか何かで、やや狭まっているのだろうか。
 売上げは、初年度で4百億円を目指すということだから、業態は違うけれど、09年度の百貨店ランキングでの全国40位台なかばにあたる数字。今年、撤退した四条河原町阪急の跡地に、来年進出してくる丸井の新宿店が(行ったことはないけれど)350億円あまりというから、結構強気なのでしょうね。
 ちなみに、百貨店では、京都の高島屋が9百億円強、大丸が7百億円強、伊勢丹が6百5十億円弱、となっている。

 しかも、同じJRの大阪駅前にヨドバシ梅田店があり、ここはなんと、年間約1千億円を売り上げている! のだそうだ。直通でつながる路線の、どちらもメインターミナルだから、やはり、いくらかは共食いするでしょう。
 いやはや、強気です。だけど、定着すれば、スケール的には充分可能、という印象はありますね。

 この場所にもともとあった「京都近鉄百貨店」は、「プラッツ近鉄」となったあと07年の春には閉鎖されたが、それまで、おそらく2百億円前後だったのではないか。
 ざっくばらんというか、四条通の高島屋や大丸と違って、まあ、雪駄履きでぶらぶらできる、といったような、気さくな百貨店だった。
 中二階のような妙なスペースがあって、思わぬところにギャラリーがあったり、どこかしら面白い商業空間で、男性ファッションなんかも、おじさん向けのブランドが多かったし、なんというか、全体的に、とにかく庶民的な印象でしたね。
 撤退が決まる前のプラッツ近鉄には、無印良品や旭屋書店、ソフマップなどが入っていて、結構若者も集めていたし、地下のスーパーなんかも悪くなかったのではないかと思うのだけれど、最上階あたりの、自店直営のフロアは、いつも閑古鳥が鳴いていた。

 「京都近鉄百貨店」の前身は「丸物百貨店」だが、ウィキペディアによると、創業時には「京都物産館」といったのだそうだ。その「物」をとって丸で囲んだので「丸物」。なるほど、ネット時代の利点、名前のなぞがとけました。これはまず確かでしょう。
 そのウィキペディアによると、1977年に「京都近鉄百貨店」に改称されたそうだが、それまでの「キャッチコピー」が「FRONT KYOTOまるぶつ」だったというから、なかなかモダンなキャッチで押していたのですね。

 近鉄百貨店、の名残を感じさせるテナントとして、ヨドバシにも「コムサイズム」が入っていて、おお、なつかしや。継承しているのは、ここくらいかな。
 河原町のBALビル地下から、いつの間にか撤退した輸入玩具の「ボーネルンド」をみつけたのは意外だったけれど、ここに入るからBALを撤退したのではないと言っていた。もっとも、タイミング的にはちょうど入れ替わり。BALの地下では集客力が弱かったのだろう。ここのほうが目にはつきやすい。あとは客層と価格帯とのマッチングだろうけれど、遠くからでも集客できるネームバリューがどうなのでしょう。

 この、ヨドバシのマルチメディア館、店舗の印象は、とりあえず、広い。
 トイレが、大きな駅や劇場のように広い。
 レジカウンターもやたらと広く、カウンターの数も、それぞれに並ぶレジの数も多い。これは、百貨店などとはまったく違う。
 トイレもレジも、ありあまるほどの余裕があるのは、客にとってはゆったりする。おそらく、最大の混み具合のときの回転を想定した設定なのだろう。通常はレジもすべてに人員を配置しているわけではない。そのあたりのオペレーションをみてみたいものだけれど、わざわざ年末や正月に見に来る気はありません(笑)。

 電化製品はとにかく、品揃えがすごい。フロアの余裕ですね。
 これまでの京都の電器店の感覚からは、圧倒される。カメラ機材なんかも、ミニスタジオや除湿庫のようなプロ、セミプロ用品が、家電店のテレビや冷蔵庫のようにずらりとならんでいるのには驚いた。
 梅田店もちらっとのぞいたことがあったと思うのだけれど、こういう品揃えの印象が残っていない。どうだったかな。ただ、とにかく、客の数は、大阪のほうがはるかに多かった。

 最上階は、いわばレストラン街。やっぱりもう、構成は百貨店ですね。
 地下に文具店があって、シュレッダーのように家電の延長といえる商品は、これまたみたことがないほどずらりとならんでいたが、ビジネス文具的なものは、フロアが広いわりには品揃えが物足りなかった。リフィルなんかの多様さはない。やっぱり、少し専門外、というところなのだろうか。

 店員さんは寺町より愛想がいい。これは、同じ京都駅前、近くにある先輩進出店、ビッグカメラも同じ。ナショナルチェーンの人材教育システムによるところだろう。
 寺町に限らず、京都既存の電器店は、大型店でも、伝統的商店(笑)。愛想がよくない。もっとも人間くさいというか、無愛想でもなじみやすいようなところがあるのですけれどね。

 エスカレータが同じ乗り口から上下双方に行ける、並列式、とでもいうのだろうか、4列の昇降口が一箇所にまとまっているスタイルは、これもスペースのゆとりなのだろうけれど、新鮮だった。便利である。行ったら逆向きだった、という面倒がない。

 冒頭にふれた「本日登場」のガラパゴスは、そのエスカレーター昇降口のすぐ脇、両側に分かれて、ソニーの電子書籍リーダーと対置したコーナーがつくられていた。これはまたふれると長くなるので(笑)さておいて、ガラパゴスは予約販売のみだからか店員さんはつかず、カタログと電子看板だけ。ソニーのリーダーのほうは店員さんがいて、ぱらぱらだけれど、人が途切れずに話を訊いていた。
 ガラパゴスにはそれほど関心がないが、そのコーナーの背景の電子看板、いわゆるデジタルサイネージに少し興味をひかれた。

 畳一枚よりは小さい、70センチ×140センチくらいだろうか、縦長のディスプレイを三枚並べてワイドな壁状の画面をつくり、PRの映像を流している。
 こういったものは、かつてなら、いかにもディスプレイに宣伝映像を放映している、といった感じだったのが、大型の街頭映像のようで、スマートな印象だった。
 これに限らず、エレベータドアのサイド壁面など、電子看板の多用が目立っていた。双方向というわけでもないし、シンプルな映像看板で、デジタルサイネージとしての機能に驚かされる、といった活用はされていない感じだけれど、京都の既存店ではあまりみられなかったことだ。

 また、じつにやぼったく泥臭いデザインなのだけれど、フロアガイドが4カ国語で書かれているのは、あらためて、国際都市といいながら閉鎖的な、京都のビジネスを反省されられるところ。これは東京、大阪でのニーズ反映でしょうね。
 たとえば行政のホームページでも、京都市は最近ようやく4カ国語になったが、神戸市などでは7カ国語8言語対応である。

 ゲーム機の流れもあってか、玩具にチカラを入れるのは最近の家電量販店の流れのようだけれど、一画にガチャポンがずらり勢揃いした、コーナーというより、もう専門店というのか(笑)。数えなかったけれど、おそらく四、五百台は並んでいるのではないか、いわゆるカプセル玩具のフロアがあった。
 一週間で二百万円くらい売り上げるといっていた。あなどるなかれ。

 ファッションのテナントには、たとえばシューズや紳士服、スポーツ、といったジャンルでも品揃えやコンセプトの違う同業他社が入っていたりして、競合と補完ををしている感じ。ショッピングモールに近いものがある。
 ユニクロが入ったのは、最近の百貨店の動向に似ている。
 一方、地下の食品売場の横に百円ショップがあるところなどは、スーパーのノリだ。

 ひと足先に、ここよりさらに京都駅に近く、不便なホームに降りるとはいえ、一応、駅に「直通」でオープンしたビッグカメラは、なぜか酒まで自社で扱う、といったそれなりのオールインワンの店舗をめざしている感じだけれど、ヨドバシカメラは、テナントを活用してのオールインワンをめざしているといったところだろうか。
 ヨドバシは、家電フロアも、文具も、食品も、またテナントの部分でも、価格的に、事前に想像していたようには、ことに安いという印象はないけれど、とにかく品数の多さは、競争力をかなり後押しするだろう。目で見て選ぶという点では圧倒的に有利といえる。

 少なくとも、京都の既成の業界に与えるインパクトが、かなり大きいことは間違いない。
 うーん、いよいよ、寺町がまさに生き残れるかどうかは、風前の灯のようにさえ感じられてくる。

 東京では有楽町西武が閉店セールの真っ最中らしい。
 これほど大きな商業構造変化の波は、戦後、つまり今のような体制になって初めてなのではないだろうか。インターネットもからんで、業態や業種の既成概念は、捨てたほうがいい時代になりつつあるのだろう。
   
ラベル:繁華街 京都
posted by Office KONDO at 01:24| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月03日

延坪島と、支離滅裂の民主党政権。

旧暦十月二十八日 丁亥(ひのとい)

 延坪島と書いてヨンビョンドと読むらしい。
 ウィキペディアによると、大延坪島(テヨンビョンド)と小延坪島(ソヨンビョンド)のふたつの島からなるそうだ。
 若干拡大した朝鮮半島が一頁だけ載っているような、よくある「世界総合地図帳」なんかで見ても、どこにあるのかわからない。

 島は「ド」なのですね。あの、韓国で一千万人を動員したといわれる映画の、タイトルとなった「シルミド」の漢字表記は、実尾島。
 そういえば、韓国ではどこまでがハングル化されているのだろう。
 北朝鮮は、正式国名もすべてがハングルらしい。

 それはともかくとして、北朝鮮軍が、その延坪島をいきなり砲撃したのは周知のことで、日本のテレビが相変わらずのワイドショー的ノリで、連日、現地や韓国本土からの「レポート」や「専門家の分析」を流し続けた。

 それにしても、北朝鮮の金王朝は、次々とひどいことをする。
 ついに、政治家や軍隊にではなく、あからさまに民家を破壊して、非軍人を殺傷した。
 もっとも、彼らの、人間の尊厳に対する想像力の無さは、すでに拉致問題で明らかではある。

 「軍事境界線」で長くへだてられ、国名が違うといっても、同胞だろう。
 そこに親兄弟、親戚がいてもおかしくないはずの、彼らにとって同国人、を、いきなり無差別に殺したのである。
 中東で、若者をそそのかして自爆させ、無抵抗の市民を無差別に殺している連中と同じ、無情、無感性の人非人、ひとでなしである。
 被害を受けた韓国内が冷静だとはいえ、「メッセージ」として市民を殺す、というのは、やはり、尋常なことではない。

    売り家と唐様で書く三代目

 こんな川柳を、記憶ではなんとなく学校で習ったような気がしている。けれど、考えてみると、教科書に載るものでもありませんねえ。
 初代は苦労して身を起こし財をなして、大店と富を築き上げた。二代目はまあまあ、なんとか、惰性というか慣性というか、受け継いだ威光の残りを食いつないできた。だけど三代目になると、さすがにそれも尽き、甘やかされてきた坊ちゃんには盛り返すチカラも無く、せいぜい身につけた、おしゃれな教養である唐様、つまり流行りの筆遣いで「売り家」と書いている。そんな意味だったと思う。

 まあ、金王朝の「ちび大将」と呼ばれているらしい三代目に、しゃれた当代の流行りが身についているとも見えないし、また、初代が努力して国を築き上げたとも思えないけれど、四代目の国家相続がないことだけは確かだろう。
 その時、かつてのルーマニアのチャウシェスク夫妻のような末路をたどるのか、中国共産党をたよって亡命するのか。
 ときどき日本のニュースに映像が流れる、あの朝鮮中央テレビの、やたら威勢のいい恫喝おばさんなんかも、無事では終わらないでしょうね。

 四日間にわたる米韓の合同軍事演習が終了したが、さすがに二代目も三代目も、平壌を10分でたたける位置にいる米空母ジョージ・ワシントンを前にして、ちょっかいをだすという無謀なことはしなかった。
 空母艦名のジョージ・ワシントンは、アメリカの初代大統領。
 うーん、やっぱり、二代目、三代目とは勢いが違う?
 ちなみに、その母港は横須賀。アメリカの軍艦だが、じつは日本の港に所属しているのだ。お恥ずかしいことに、今度の騒ぎまで知らなかった。でも、多くの人がそうではないだろうか。沖縄の実態もそうですね。

 野次馬としては、むしろ、金ちゃんがちょっかいを出したときに、米軍がどう反応するかを見たいな、という興味もなくはなかったけれど、北朝鮮が反撃されて死傷者が出るのは民間人、という可能性も高いから、まあ、無事に終了してよかった、というところでしょう。
 だけど、ごていねいなことに、まだ年内にもう一度米韓で合同演習をやることが予定されているらしいから、予断はゆるされない。
 中国にとっても、黄海は、日本の東京湾のようなもの。人民解放軍のいらだちは最高潮だったでしょう。

 かつて、ニクソン大統領下のアメリカは、チリのアジェンデ政権をクーデター工作で転覆させるという暴挙を行なっている。相手がこの金王朝なら、世界の誰も非難しないだろうけれど、今、そういった能力がないのは、目下話題のウィキリークスへの機密漏洩の状況をみていれば、納得できるのかもしれない。
 難民発生を避けたい、というのが、とりあえず、周辺国にとっての「戦々兢々」と考えれば、中国共産党政府が、裏工作で金王朝をひっくり返す、できれば無血転覆する、というのが、まあ中国支配下にはなっても、現状ではいちばん「まし」なシナリオかもしれない。
 だけど、みている限り、中国共産党にも、そういった細工をする能力はないのでしょうね。

 で、たしか今日3日から、今度は日米での合同軍事演習が行なわれる。そこに韓国が初めてオブザーバーで参加する。ジョージ・ワシントンも忙しいことだ。
 こちらはさすがに、黄海に展開などということはないけれど、日本海や東シナ海、太平洋と、あちこちでやるらしい。島嶼防衛を含む作戦、というのは、尖閣をにらんでいるわけですね。
 まあ、みんなで挑発しあってどうするの、と思うけれど。

 そんな、好戦的気分で盛り上がる「世論」に迎合しようと、民主党政権が打ち出したのが、「高校教育無償化の朝鮮学校への適用手続き停止」だった。
 それであたりまえ、みたいな風潮があるけれど、それはおかしい。

 北朝鮮を牛耳っているのが金王朝であり、その支配が朝鮮労働党の名のもとに行なわれていて、日本国内の朝鮮学校がその影響下にあるということもわからなくはないけれど、だからといって「特別扱いの仲間はずれ」として圧迫することは、太平洋戦争の際に、在米日本人が受けた扱い、また、在日中国人、在日朝鮮人が受けた扱いに通じる。
 関東大震災のときには、日本にいる中国人や朝鮮人がこれに乗じて暴動をおこすなどといって、理不尽に虐殺された。太平洋戦争末期においても、多くの人が拘束され、殺されている。
 考え方として通底する。たいして変わりはない。

 国会では、「『外交上の問題と教育の問題は別』としてきた政府見解と矛盾する」という質問に、「規定を変えていないのだから、外交上の問題とは切り分けている。そのうえで総理が日本国民の生命や身体を守るという観点から総合的に判断した」と文部科学大臣だか副大臣だかが説明したというけれど、それがほんとうなら、市川房枝さんに傾倒したという菅直人さんは、何を血迷ったのか。

 まあ、民主党は、責任政党というには政党の体をなさなくなってきた観があるけれど、かといって、今、噴出しているたくさんの問題を、すべてここまで悪化させて先送りしてきたのは自民党だから、まさか、そこに戻すのも最悪である。
 再編、しかないのでしょうね。
 連中に、できるかな。
 あの最低の政党群を、一度バラバラにして、まず、えらそうな二代目と、勘違いしているテレビ番組出身者を、ぜんぶ廃棄してみるところからはじめたいものです。
   
posted by Office KONDO at 00:35| Comment(10) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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