2011年11月03日

新聞広告も、まだまだ元気だ。

旧暦十月八日 壬戌(みずのえいぬ)

 この前の日曜日、朝刊をひらいて、久しぶりに記事下の広告に目が行った。
 新聞を読もうとするときには、まずひっくり返して、一番後ろのページからめくっていく習慣なのだけれど、その日でいうと最終が28面、ページものだと表4ですね、ここはテレビ番組表だけだから、夜の番組あたりに何か観るものがないかな、と一瞥したら、すぐに次へめくって三面記事から流していくところが、ふと記事下の全五段広告に気を惹かれた。

    京都からわずか30分で着く、
    インテリアのテーマパーク

 インテリアショップの宣伝ですね。
 空間を活かして、ハイライトで背景をとばした感じの切り抜きだろうか、これはシェルチェアというタイプの椅子でしょうね、朱赤のデザインチェアと、この、ヘッドライン二行の文字の色とをそろえて、視覚効果を高めている。
 新聞もカラーになって、記事面では、ただ無駄に無理やり色をつけてるだけのような紙面が多いけれど、こういうところは面白くなりましたね。
 四色刷だから、広告枠の下に、店内のカラー写真が添えてあったけれど、アイキャッチ部分のこういう、上手い色と空間の配置をみると、二色で充分たたかえる、という気がする。今では、カラー分解や印刷のコストが下がったので、往々にして、二色にするくらいなら四色でいこうよ、という話になるが、かつては特色二色の表現なんか、抜群にうまいデザイナーさんがいたものだった。
 きっと、この広告を組んだデザイナーさんも、そういうセンスを持ったかたでしょうね。

 ひとつだけ、ちょっとだけ気になったのが、二行のヘッドラインの構成。
 このコピーの、いちばんのキモは「インテリアのテーマパーク」。こちらも、まず、この言葉に目が行った。
 なので、できれば、キモのフレーズが目立つほうがいい。
 だけど、補足説明側の一行の方がわずかに長い。
 実際の組みでの(ツメたりしてあるものの)長さとはみだしかたは、ほぼ上の二行と同じような割合です。

 二行、同級の文字サイズで組んであって、この場合、「京都からわずか30分で着く」という一行を、明確にサブ扱いして、ポイントを下げて書体を変えたり、ということも考えられるけれど、この紙面で見る限り、そういう小細工は野暮ったくなる。今のバランスがいいのである。

    京都から30分で着く
    インテリアのテーマパーク

とすると、ちょっと短いかな。これも同じことですね。

    京都からわずか30分、
    インテリアのテーマパーク

 まあ、片一方の一行が短くなったら、行間の微調整なんかも必要だろうけれど、せっかくのコンセプトである「インテリアのテーマパーク」を優位に立たせたほうがいいように思う。
 上下逆にしても、そう感じる。

    インテリアのテーマパーク
    京都からわずか30分。

 「わずか30分で着く」というのは、おそらく、クルマで高速利用、ということだろうと思うけれど、たった30分でそこまで「到着できる」と強調したかったので「着く」と入れたかったのでしょうね。よくわかる。(笑)

 今やインターネットの時代、この広告でも、当然、URLも掲載され、ネット検索への誘導もされているが、そのあたりもきちんとフォローできていた。
 検索枠に店名を入れ、その横に「検索」ボタンとポイントマークを表示して、こうしてクリックしてね、という表現はよくあるのだけれど、ここでは、単に「webもチェック」と入れるだけでなく、

    \季節のキャンペーンもWEBでチェック/

と、ワンフレーズ添えてあった。
 このワンフレーズが、なんでもないようでいて、コミュニケーションツールの機能を果たすのだ。背中をひと押しする、コピーの存在意義である。
 新聞広告という、時事性を感じさせる媒体の特性が、空気として活きてきますね。

 そんなことを考えながら、いつになく「表4」をゆっくり眺めて一枚めくったら、今度は右側26面の記事下の、今度は半五段だけれど、また目についた。

    本日別腹、
    特B級解禁。

 写植でいえばゴナ平1? といった感じのぶっとい文字、それも枠の両側に、それぞれの一行が半五段スペースの五分の一ずつくらいを埋めつくす感じで、タテに一行ずつ、どーん、とおいてあり、「〜解禁。」の「。」は半分枠からはみ出すかたちで、また「別」の文字だけはひとまわり大きくした上でスミベタの丸囲みに白抜きとし、さらに傾けてある。
 これも、さりげないところに、ちゃんと芸をみせている。

 今ちょうど開催されている、京都での「国民文化祭」のイベント告知ですね。
 「京都特B級ご当地グルメフェスティバル」だそうだ。

 こちらの広告では、半五段の限られたスペースを文字で埋め尽くしているのが、ジャンクフードっぽい、ごちゃごちゃ感、を盛り上げている。
 出店メニューがたくさん並べてあって、その上に「どうぞご自由にお迷いください」とさりげなく目立つフレーズも、よかった。こういうのは大好きだな。(笑)

 ぱっ、と目にとまって、ちゃんとターゲットの心理をついている。
 広告の基本は、相手の立場に立ってみること、という、なんでもないふつうのセンスを久々に見たね、という、あれは、珍しい日曜日、でした。
 新聞広告も、まだまだ元気だ!
   
posted by Office KONDO at 00:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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